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傾向と対策




  次に、対策についてである。東京大学の世界史の問題にはいくつかの型があり

その型に応じて対策の方法が変わってくる。型には大きく分けて、

変化、比較、特徴(内容)、影響、意義(役割)、経過(展開・過程)、背景(原因)

の7つがあり、これらは主題と副題の双方に含まれている。

例えば、97年度の主題は「帝国の解体の経過とその後の状況」なので「経過型」

副題は「解体過程の相違」なので「比較型」である。

同様に、12年度の主題は「植民地独立の過程とその後の動向」なので「経過型」

副題は「地域ごとの差異」なので「比較型」である。

従って、97年度と12年度の問題の型は全く同じであるということが分かる。

以下、それぞれの型に対する対策法を述べていく。


  第一に、変化型である。17年度の「社会変化」、16年度の

「政治状況の変化」、14年度の「国際情勢にもたらした変化」、11年度の

「異文化交流に伴う変容」とここ数年変化型の問題が連続しており、

90年度までに主題・副題で扱われた回数(以下、登場回数と表記)も

経過型・特徴型に次いで多く、8回登場している。

変化型の問題の対策法は、前後の差異を明確にすることである。前後の事象を共に

明示するのが望ましいが、字数の都合や変化前の事象が自明である際は後者だけでも

構わない。差異を明確にする時の基本は、同一項目を比較することである。この点、

変化型と比較型には互換性があると言える。また、変化の要因についても明記しておく

方が論述の精度は高まる。


  第二に、比較型である。17年度〜90年度まで比較そのものが主題として

問われたことは無く、全て副題の留意する条件として出題されている。

これは、比較型と、変化型・特徴型など他の型との互換性の高さによるものと思われる。

登場回数は7回と、4番目に多い。

比較は先述の通り同一項目で行うのが原則である。また、比較するのは相違点

だけに限らず、共通点を含むこともあるので注意が必要である。


  第三に、特徴型である。特徴とは、ある事象を他の事象と比較

することによって明らかになるものである。従って、特徴型の問題ではまず最初に

比較対象を確定する必要がある。問題文中では、15年度のように「諸相」と

表現されたり、14年度のように「内容」と表現されることもある。逆に、

特徴型の問題で明確な比較対象が存在しない時は、内容が要求されている

と判断してよい。この場合は具体的な歴史用語をできるだけ想起して、そこから

答案を肉付けしていけば良い。また、問題文中で「どのような〇〇か?」

などと問われた場合、その問題は特徴型の問題と判断してよい。

登場回数は9回で経過型と並んで最も多い。


  第四に、影響型である。登場回数は4回。

影響型は変化型と互換性が高い。事象Aが事象Bを原因として変化した場合、

事象Bは事象Aに影響を与えたと言える。従って、基本的な対策法は変化型と

変わらない。また、影響にはプラスもマイナスもあるので注意が必要である。

意義型との区別は難しいが、影響型が上記のように必ずある事象からある事象への

作用を伴い、同時代的にその効果が認識されるのに対して、意義型は事象同士の

連関を捉える点では影響型と共通するが、必ずしも事象間の作用を伴わず、

その意義は後世になって規定されたものであるため、学者・時代によって

評価が異なっている。


  第五に、意義型である。影響型と同じく登場回数は4回。

先述のように歴史事象の意義は評価する基準によって変化するため、解答の内容にも

大きな幅が出る。これは採点者からすれば極めて厄介なことであるから、

受験問題として意義が問われる場合、10年度のように解答の方向性を示唆する

記述が問題文に多く含まれていたり、03年度のように歴史事象としてある程度評価の

定まっている事柄が問われることが多い。受験生としては、教科書レベルの

ことが書ければ十分である。また、意義型の問題は10年度や03年度のように「役割」

として問われることもある。


  第六に、経過型である。経過型の問題がそれ単体で問われることはほぼ無い。

経過型を主題として、副題に変化型や比較型を置くのがセオリーである。

ただし、先述したように副題について書くことが思いつかない時は、その部分は捨てて

主題に絞った答案を作成するべきである。その点、経過型は受験生にとって最も書きやすい

形式であるはずだから、ここでしっかり得点をキープすることが重要である。

もちろん、経過を論述するに際して時期区分をし、時期ごとの相違に留意することは

重要であるが、問題で要求されていない場合は殊更にそれを強調しなくてもよい。

登場回数は最も多いが、近年は出題が減少傾向にある。


  第七に、背景型である。登場回数は3回と最も少なく、それ単体が主題で

問われたこともない。02年を最後に出題されていない形式ではあるが、いつ復活する

とも限らないので無視することはできない。対策法としては、場合分けをして複数の原因

を想起することが重要である。


  東大世界史では異文化(異文明)の交流と衝突、異なる勢力間の

対抗関係など繰り返し問われるテーマがあり、例えば03年度の問題が76年度の問題と

類似しているように、過去問を題材にしたと思われる出題も多い。

また、政治史だけでなく経済史や宗教・民族を含む文化史などがよく問われる。

現場では、題意の的確な分析にある程度時間を割いたうえで、それに応じた

フォーマットを作成することが重要である。

フォーマットの書き方については論述問題の解き方

詳述してある。それはともかく、実際の問題にあたって書く訓練をすることが

重要であるから、このサイトにある素材を利用して十分に研鑽を積んで欲しい。


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