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【解答】前者では戦争や属州経営の利潤を元に大土地経営を行う元老院貴族や、属州の徴税を 請け負い商業活動を担う騎士が台頭する一方、長期の従軍や属州からの安価な穀物の 流入で中小農民が没落し、重装歩兵市民団は解体した。結果、富裕者はパンとサーカ スの提供によって遊民を私兵化し、権力闘争に利用した。他方、同盟市戦争を経てイ タリアの全自由民に市民権が与えられたことで、共和政ローマの都市国家的性格は失 われ、世界帝国に変貌した。市民権拡大に対応してローマ法が各地の慣習法やヘレ二 ズム思想を取り入れ万民法の性格を強めると同時に、伝統的な多神教も広く定着した 。政治家は市民の支持を得るために公共建築を進め、属州の繁栄を背景に都市建設も 進展、ラテン語文化圏が拡大した。内乱を経て皇帝が第一人者として全権を握る元首 政が成立した。後者では農業の技術革新で小農経営が進展、余剰作物の売買で青銅貨 幣が普及した。富農は大土地経営を行い、没落農は宗教結社の母体となった。世襲的 慣習法である宗法に基づく都市国家・邑は、諸侯が、成文法と、郡県制に基づいて派 遣した非世襲官僚を通じて統治する領域国家に変貌した。開発に伴い漢字文化圏が拡 大する一方、諸国の富国策を背景に製鉄業が栄え、武器を自弁した民衆は歩兵化した 。その中で実力主義の風潮が生まれ、諸子百家は新たな思想を提供した。これらを基 礎に秦漢帝国の下で普遍的権力を持つ皇帝の支配が確立した。 |